調べによると、S容疑者は瑞草区一帯で違法にUターンする車両や建物の駐車場から出て右折する車両を狙って事故を起こした。こうした場合に相手車両の過失が高く認定される点を悪用した。道路では直進車両と右折車両が出会った場合、直進車両に優先権がある。また、S容疑者は公務員が事故を起こしたことが知れると不利益を受けることを恐れ、事故を通報しない点を狙い、大法院(最高裁に相当)の周辺で4回の事故を起こしていた。
S容疑者の犯行は、同じ人物に2回事故を起こしたことで摘発された。大法院の職員(52)は昨年11月、乗用車を運転して大法院を出て、右折しようとしたところで直進してきたS容疑者のタクシーと衝突した。これに先立ち、15年1月にも同じ場所で同様の手口でS容疑者が事故を起こしたことを思い出した大法院職員が警察に通報し、捜査が開始された。
捜査関係者は「S容疑者は『偶然の事故だ』と犯行を否認しているが、証拠は明白だ。余罪を追及している」と話した。