高橋裁判長は、運転中の両被告が「互いに相手を意識して高速で並走し、赤信号を無視する意思を暗黙に相通じて共謀した」と認定。谷越被告は酒気帯び運転、古味被告はひき逃げをしており「犯罪の悪質さが他に類を見ないほど際立ち、1審の量刑が不当だとはいえない」と判断した。
判決によると同年6月6日午後10時35分ごろ、両被告は別々の車を運転し、赤信号だった国道12号の交差点に100キロを超す速度のまま相次いで進入。谷越被告の車が歌志内市の会社員、永桶(ながおけ)弘一さん(当時44歳)ら一家5人の乗った車に衝突した。更に古味被告の車が、車外に投げ出された永桶さんの長男(当時16歳)を約1.4キロ引きずるなどして4人が死亡、1人が重傷を負った。
両被告は「赤信号を殊更に無視しておらず、共謀もしていない」と主張。1審判決は事実誤認があり、量刑も重すぎるなどと訴えていた。
判決後、谷越被告の代理人を務めた坂口唯彦弁護士は「主張が理解されなかったことは残念。上告するかは被告と相談して決める」と述べた。一方、永桶さんの妻で事故で亡くなった文恵さん(当時44歳)の母広沢千恵子さん(85)は弁護士を通じて「控訴が棄却され、ひとまず安心した」とコメントした。